はじめに
屋根材には様々な種類がありますが、その中でも長年日本の住宅で広く普及してきたのが「平形スレート」、屋根材の商品名になりますが一般的に言われる「コロニアル」です。
ガルバリウム鋼板よりは重いですが瓦よりは軽量で施工性が高く、コストパフォーマンス、防火性能に優れているため、新築やリフォームでも多く採用されてきました。
しかし、平形スレートにも寿命があり、年月とともに劣化が進んでいきます。外からは一見きれいに見えても、表面の塗膜が劣化して防水性が失われたり、内部に雨水が浸透して屋根全体を傷めてしまうことも少なくありません。
この記事では、平形スレート(コロニアル等)の劣化症状、劣化の原因、放置するとどうなるのか、そして適切なメンテナンス方法について、屋根工事の専門的な視点から詳しく解説します。
これから屋根の点検やリフォームを検討している方に役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
平形スレート(コロニアル等)とは?

瓦よりは軽量で普及率の高い屋根材
平形スレートとは、セメントを主成分とした薄い板状の屋根材で、「コロニアル」という商品名で広く知られています。瓦屋根に比べて軽量なため、建物への負担を軽減できるのが大きな特徴です。耐震性、防火性能の観点からも注目され、特に昭和後期から平成にかけて多くの住宅で採用されてきました。
平形スレートにアスベストが含有されていた頃の平形スレートは耐久性が高かったですが、現在のアスベストが含有されていない平形スレートは耐久性が低くなり、10年経過しないうちにヒビ割れや欠けが多く見られるようになりました。
アスベスト含有無しの平形スレートは、塗装をしても本体自体が弱く何年か経過すると割れや欠けなどが出てくるので基本的に塗装はおすすめできません。
平形スレートのメリット
- 瓦より軽量で建物に優しい
- 初期コストが比較的安い
- デザイン性があり、モダンな住宅にマッチする
- 職人の数が多く、施工しやすい
平形スレートのデメリット
- セメント系素材のため水を吸いやすい
- 塗装による防水性が寿命を左右する
- メンテナンスを怠ると急速に劣化する
つまり、平形スレートは「安くて扱いやすいが、メンテナンスを前提とした屋根材」といえます。
平形スレート(コロニアル)の劣化症状

ここからは、実際に見られる代表的な劣化症状を詳しく解説します。
色あせ・退色
施工から5〜10年ほどで、紫外線や風雨の影響により塗装の色があせてきます。屋根全体が白っぽく見えたり、ムラが出たりするのが典型的な症状です。見た目の問題だけでなく、表面の防水効果が低下しているサインでもあります。
藻・コケの発生
北側や日陰になる部分では藻やコケが生えやすくなります。コケ等は湿気を好むため、特に梅雨時期や降雪地域では顕著です。藻やコケは美観を損ねるだけでなく、常に湿った状態を作り出し、屋根材の劣化を加速させます。
ひび割れ・欠け
温度変化による膨張と収縮、台風などによる飛来物の衝撃などでスレートがひび割れたり欠けたりすることがあります。場合によっては強風時に剥がれて近隣に飛散し事故等に繋がるケースもあります。ひびが小さいうちは気づきにくいですが、放置するとそこから雨水が浸入して下地材を傷め、雨漏りへとつながります。
反り・浮き
スレートの強度が低下すると、屋根材が反ったり浮いたりしてきます。そうなると屋根全体に隙間が生じ、風雨が吹き込みやすくなり、防水性が大きく損なわれます。
塗膜剥がれ・素地露出
塗装の寿命を過ぎると表面が剥がれ、セメント素地がむき出しになります。この状態になると水を吸いやすくなり、凍害や劣化が一気に進行します。
劣化の原因

平形スレートの劣化にはいくつかの要因があります。
- 紫外線による劣化:紫外線は塗装を分解し、防水機能を失わせます。
- 雨水の影響:セメント系素材は本来水を吸いやすく、防水塗装が切れると一気に劣化が進行します。
- 気温差:夏の高温、冬の低温で膨張・収縮を繰り返し、ひび割れや反りを生じます。
- 苔や藻:表面に水分を保持し、常に湿った状態を作ることで劣化を早めます。
- 施工不良:初期の施工で釘や接合部に不具合があると、部分的に早く傷みやすくなります。
劣化を放置するとどうなる?

雨漏りのリスク
劣化したスレートから水が浸入すると、下地材や防水シートが劣化し、最終的には天井や壁に雨染みが発生します。雨漏りは一度始まると被害が拡大しやすいため、早期対応が重要です。
修繕費用が高額になる
本来であれば「塗装」で済む段階を放置すると、「カバー工法」や「葺き替え」といった大掛かりな工事が必要になります。早期メンテナンスの有無で数十万円以上の差が出ることも珍しくありません。
建物全体への影響
雨漏りが進むと木材が腐食したり、シロアリ被害が発生したりと、家全体の耐久性に悪影響を与えます。結果的に建物寿命を縮める原因になってしまいます。
適切なメンテナンス時期と方法

築10年目:塗装が必要
施工から約10年を目安に、塗装を検討するのが理想です。塗装を行うことで防水性を回復させ、さらに10〜15年ほど寿命を延ばせます。
築20〜25年目:カバー工法または葺き替え
屋根材そのものが寿命を迎える頃には、上から金属屋根を重ねる「カバー工法」や、既存屋根を撤去して新しい屋根にする「葺き替え」が選択肢となります。
定期点検の重要性
専門業者による屋根点検は、5年ごとに行うのがおすすめです。特に台風や大雪の後は被害が出やすいため、早めに確認することで安心につながります。
まとめ

平形スレート(コロニアル等)は、瓦より軽量でコストパフォーマンス、防火性能に優れた優秀な屋根材ですが、劣化が進むと雨漏りや大規模な修繕につながるリスクがあります。
- 色あせや苔は劣化の初期サイン
- ひび割れや反りは防水性低下の危険信号
- 放置すると葺き替えが必要になり高額出費に
- 築10年で塗装、20〜25年でカバー工法や葺き替えが目安
屋根は住まいを守る最前線です。普段は見えにくい部分だからこそ、定期点検と適切なメンテナンスが大切です。
お困りの時は、ぜひ一度ヤネピカにご相談ください。