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セキスイ「カワラU」とは?特徴・劣化症状・リフォームの注意点を徹底解説

2025年12月28日

はじめに

日本の住宅における屋根材は、時代とともに大きく変化してきました。瓦、スレート、金属屋根など、耐久性・デザイン・コストといった要素のバランスによって選ばれてきた歴史があります。その中でも、1970年代から2000年代初頭にかけて全国的に広く普及した屋根材のひとつが、セキスイ「カワラU」です。

カワラUは、積水化学工業(セキスイ)が製造販売していた屋根材で、「瓦風のデザイン」と「スレートの施工性」を兼ね備えた製品として注目されました。見た目は日本瓦に似ていますが、実際にはセメントを主成分とするスレート系屋根材であり、陶器瓦よりも軽量で扱いやすい点が当時の住宅需要に合致していたのです。

しかし、現在では製造が終了していることに加え、経年劣化による問題やアスベストの処理といった課題を抱えており、リフォームや点検の際に注意が必要な屋根材となっています。この記事では、カワラUの特徴、メリットとデメリット、劣化症状、リフォーム時の注意点までを、屋根工事の専門家視点で詳しく解説していきます。

セキスイ「カワラU」の基本情報

和瓦のようなデザインを持ちながらスレート系で軽量だったカワラU

  • メーカー:積水化学工業(セキスイ)
  • 販売期間:1970年代〜2007年頃まで
  • 素材:セメント+繊維質(初期はアスベストを含有、その後はノンアスベスト製品も登場)
  • 形状:日本瓦に似た曲面を持つスレート屋根材
  • 重量:陶器瓦の約半分程度

カワラUは、従来の陶器瓦の「重くて施工に手間がかかる」という弱点を克服しつつ、見た目は瓦のような落ち着きと重厚感を演出できるという点で人気を博しました。

カワラUが普及した背景

なぜカワラUが多くの住宅で採用されたのでしょうか。その理由を当時の住宅事情と合わせて整理します。

耐震性への意識の高まり

1970年代後半から住宅業界では「軽い屋根材=耐震性に優れる」という認識が広がっていきました。陶器瓦は重く、地震の揺れで家屋への負担が大きいとされていたため、より軽量な屋根材としてカワラUが注目されました。

施工性の良さ

陶器瓦は一枚ずつ丁寧に葺く必要があり、施工に時間と技術が必要でした。一方でカワラUは、スレートと同じような工法で効率的に施工でき、短期間で工事を終えられる点が評価されました。

コストの安さ

陶器瓦よりも材料費・施工費が安く済むことから、新築住宅や建売住宅を中心に採用が進みました。

デザイン性

和瓦風のデザインを持ちながらも、全体はスッキリした印象で「和洋折衷の住宅」にもマッチしました。

カワラUのメリットとデメリット

カワラUのメリットとデメリットについてそれぞれ見ていきましょう。

カワラUのメリット

  1. 軽量性
     陶器瓦に比べて重量が半分以下。耐震性の向上につながった。
  2. 施工性
     瓦のように複雑な手順を必要とせず、スレート屋根と同じ要領で施工可能。
  3. デザイン性
     瓦の重厚感を持ちながらも、すっきりとした外観で和風・洋風どちらの住宅にも合わせやすい。
  4. 普及率の高さ
     当時は住宅街を歩くとカワラUの屋根をよく見かけるほど普及していた。

カワラUのデメリット

• 塗膜に依存した防水性
 陶器瓦のように素材自体に防水性がないため、塗装が劣化するとすぐに水を吸い込みやすくなる。
• セメント系ゆえの脆さ
 経年劣化によりひび割れや反りが発生しやすい。
• アスベスト問題
 初期製品にはアスベストが含まれており、撤去や処分に費用と手間がかかる。
• 廃盤製品
 2007年頃に製造終了しており、修理のための交換部材が手に入らない。

カワラUの劣化症状

ひび割れ・欠け

経年によってセメントが脆くなり、踏んだだけでパキッと割れることが多いです。割れた部分から雨水が侵入し、下地を痛める原因となります。

塗膜の劣化

カワラUの防水性は塗膜に依存しています。塗装が劣化すると水を吸いやすくなり、凍結や膨張でさらに劣化が進みます。

苔・カビの繁殖

水を含みやすいため、屋根表面に苔やカビが繁殖しやすいです。特に北側や日当たりの悪い面では顕著です。

反り

セメントが劣化して水を含んだり乾燥を繰り返すことで反りが発生し、屋根材同士の重なり部分に隙間ができて雨漏りの原因になります。

アスベストの懸念

初期のカワラUにはアスベストが含まれており、撤去・処分時には専門的な処理が必要です。

カワラU屋根のメンテナンスとリフォーム方法

  1. 再塗装

表面の防水性を維持するための方法。ただし、すでにひび割れや反りが多い場合には効果が限定的です。基本的に塗装はおすすめできません。

  1. カバー工法(重ね葺き)
  2. 葺き替え

既存のカワラUを撤去し、新しい屋根材に全面交換します。下地まで補修できるため最も安心です。アスベスト処理が必要な場合はコストが高くなります。基本的に古いカワラUは葺き替えになります。

カワラU屋根を見分けるチェックポイント

ご自宅がカワラUかどうかを判断するには、以下の特徴をチェックしてください。

  • 屋根が瓦風の曲面デザインだが、陶器瓦ほど厚みがない
  • 表面がザラついており、塗装が剥げている部分がある
  • 1980〜2000年代前半に建てられた住宅

心配であれば、専門業者に点検を依頼するのが安心です。

まとめ

セキスイ「カワラU」は、日本の住宅史において一時代を築いた屋根材でした。軽量でデザイン性も高く、施工性に優れていたことから多くの住宅に採用されました。

しかし、現在では製造終了しているため部材が手に入らず、劣化によるトラブルが増えているのが現状です。

カワラUの屋根をお持ちの方は、以下の点に注意してください。

  • ひび割れや反り、苔が目立つ場合は早急に点検が必要
  • 再塗装だけでは不十分な場合が多い
  • 葺き替えで長期的な安心を得られる
  • アスベスト含有の可能性があるため撤去は専門業者に依頼すべき

ヤネピカでは、最適な屋根のリフォーム方法を提案いたします。カワラU屋根に不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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